『高度男性不妊治療プログラム』で重要なのは、個別のケースについて専門医との丁寧且つ詳細なコンサルテーションを行ない、そのご夫婦のケースに最も適切な検査・治療の選択となります。
成功率、ご主人への身体的影響の回避、渡米回数をいかに少なくできるか、などなど、医療技術そのもの以外にも考慮するべき側面をすべて検討し、ご夫婦が希望される条件に最も適した検査や治療を計画します。重要なことは、安全性、そしてご夫婦及び生まれてくるお子さんの健康であるからです。
『高度男性不妊治療プログラム(自己精子)』では、ご主人への身体的影響の回避を念頭におきつつ、精子を得るために可能な施術や投薬について検討が行なわれます。選択肢が数種類あるとされる場合は、それぞれの長短所を専門医が具体的にご説明し、最終的決断はご夫婦に行なっていただけますから、適切と思われる治療の中から、ご夫婦が治療手段を自ら選んでいただける、ということになります。
IFCのプログラムに参加される患者様のケースについて、「顕微授精(ICSI)に使用可能な精子を見つける」という目的に向かって治療に当たらせていただくのは、男性不妊治療の世界的権威である、ポール・テューレック医学博士です。
その後得られた精子を使用して奥様の卵子と顕微授精(ICSI)を実際に行うのは、パシフィック生殖医療センターとなっています。IFCとの提携17年の中で、パシフィック生殖医療センターでは、日本人女性の治療についての膨大なデータがあり、日本人女性の体質に適した排卵誘発のための投薬等を行なうことが可能となっていますから、奥様にも安心して治療に専念していただくことができます。
乏精子症、あるいは精子無力症の診断を受けた場合は、軽度なのか重度なのか、などにもよって状況は異なります。しかし、極めて高い確率で、通常通り精子を提出していただくことで、従来の顕微授精、あるいはPICSI(ピクシー)顕微授精により対処可能になると考えられます。(つまり、ご主人に対して身体的に施術など必要なく、普通に精子を提出した後は、ラボラトリーの技術者に任せて体外受精の際に顕微授精を行なってもらうことで対処可能、という意味です。)
この『PICSI(ピクシー)顕微授精』とは、受精能が高いと思われる精子を選別して顕微授精を行なう技術を指しています。
これは、成熟した精子がヒアルロン酸への結合能を有する、という性質を利用し、成熟精子を選別した上で、顕微授精をおこなう、という方法です。従来のICSIでは、コンピューターを使用した目視確認をして、精子の形態や運動率などをベースに精子を選別していますが、精子が結合するべく卵子を囲んでいる主要成分はヒアルロン酸であり、ヒアルロン酸へ結合する成熟精子を選ぶということは、より良く自然受精のステップに近づけるという意味にもなると考えられています。
このPICSI顕微授精は、パシフィック生殖医療センターにおいて、2009年より一般患者様のために使用可能となっています。
無精子症の診断を受けた方については、サンフランシスコにおける検査や治療そのものが、精子採取の可能性(つまり顕微授精(ICSI)に使用可能な精子が見つかるかどうかについての成功率)を予測する手段となります。ですから、もちろん個々のケースにより、結果は異なります。
同じ『無精子症』の診断でも、『閉塞性(へいそくせい)』の無精子症と、『非閉塞性(ひへいそくせい)』の無精子症の二つのタイプがあります。
【A】閉塞性(へいそくせい)無精子症 --------------------
『閉塞性』の無精子症は、精子はあるが外に出てくる道がふさがれている場合で、この場合は、日本国内でも比較的一般的に治療が可能であり、高い確率で、従来 の男性不妊治療技術で改善が見られる可能性があります。
閉塞性無精子症の方の場合は、精管等の通りをよくするための施術を受けるなどの治療が選択肢となり、これはまずは日本国内の泌尿器科の先生にご相談 なさるのが宜しいと思われます。
【B】非閉塞性(ひへいそくせい)無精子症 --------------------
わざわざ渡米していただいてもそれだけの意義が有る結果になる可能性となるのが、この、非閉塞性無精子症と診断された男性のケースです。
DNA検査で問題がないとされた場合、40〜65%という高い確率で、顕微 授精に使用可能な精子が見つかることがわかっています。
『非閉塞性』の無精子症の場合は、もともと精巣内でつくられている精子の数が大変少ない、というタイプです。言い換えると、『非閉塞性』無精子症というのは、精巣から精子が体外へ出ていける道があるにも関わらず、体外へ出ていけるほど充分な数の精子が精巣でつくられていない、という状態を指しています。
【FNAマッピング(メスを入れずに精子が存在する位置を確かめる技術)】
精液検査を行なった結果、精液中に精子がひとつも見つからない、という場合でも、数は少なくても精巣内で精子がつくられている場合があります。そのため、そのような精子があるかどうかを探す場合、従来のやり方では、すぐに組織検査を行い、実際に精巣にメスを入れる、ということが行なわれてきています。男性にとって非常に繊細で敏感な部分であり、男性ホルモンの分泌にも影響がある男性器にメスを入れる、という決断そのものはもちろん、実際の施術というものは、男性にとって心身共に大変重大な意味をもつものです。ですから、従来のやり方であれば、実際に組織検査を行なうときは、両側に一箇所ずつ切開を行なう、というのが限度となってしまうことが多いのです。しかし、その一箇所、というところにたまたま精子が無い場合、その痛みも心理的なショックもすべて無駄になってしまいます。
そこで、この分野で世界的な尊敬を集めているサンフランシスコの高度男性不妊治療の専門医、ポール・テューレック医学博士が研究を重ね、結果を出しているのが、まず、そのような場合には、FNAマッピングを行なう、ということです。FNAというのは、英語でFine Needle Aspirationの頭文字であり、これは、極めて細い針で抽出を行なう、という意味です。つまり、まずは「メスを入れずに」細い針を使って、精子が存在する「ポケット」を探す、という侵襲性の低い施術を行なうことで、その後に「実際に精子を得る」可能性を高める準備をするのです。このFNAマッピングについては、局所麻酔を使用し、痛みを感じずに行なえるような設定がされています。
非閉塞性無精子症と診断された場合は、もともと産生されている精子の数が少ないことから、確かに成功へのチャレンジは大きいかもしれません。それでも、テューレッククリニックにおいてはそのような症例でも、個別ケースごとに40〜65%の方についてFNAマッピングを行なうことで精子のある「ポケット」が見つかることがわかっています。そして、その「精子のあるポケット」が見つかったら、後日顕微授精を行なう際に、その「精子のあるポケット」を狙って切開を行い、精子を得るためのTESEあるいはマイクロダイセクションを行うことになります。
非閉塞性無精子症という診断を受けられた男性の場合、たった一箇所の切開を行なう組織検査では精子が「見つからない」とされても、他のどこかにある場合が半数以上で有る可能性が高く、これまでは、それを行なうためには切開するしか手段がなかったため、このような繊細な部分の切開は何箇所も行なうことはできないため、一箇所のみ切開をして、見つからなければあきらめる、というパターンが殆どすべてのケースだったわけです。
しかし、テューレック先生のFNAマッピングにて事前に準備しておくことにより、最終的に「一回の切開」が「一番精子のありそうなところ」を狙っての切開になるため、一回だけだったとしても良い結果が得られる可能性を広げることになり、これは極めて画期的な進展であり、注目を集めているのです。
このFNAマッピングを行なうという選択肢をご考慮される場合、まずは渡米していただき、サンフランシスコにてテューレック先生から直接診断を受けていただけるよう弊社IFCプログラムにてお手伝いをいたします。
女性と異なり、ご自身の身体で妊娠や出産を行なわない男性の場合、自己遺伝子をお子さんに受け継がせる、ということの意味が極めて重篤な意味を持つ方が多くなっています。そのため、すべてあきらめてしまう前に、精子ドナーによる治療で赤ちゃんを授かるという決断に至る前に、「最後の手段」としてこの治療をご考慮されることは極めて有意義であるとされています。
◎FNAマッピングなど、テューレック医学博士による高度男性不妊治療のご相談はこちらから:
◎精子バンクご利用について併せてご検討の場合はこちらをご参照ください:
>精子ドナー・体外受精プログラム