講演記録2006.06講演記録

国際iCSi会議(チェコ共和国プラハ)「プラハでの講演を終えて(川田ゆかり:IFC社長)」

▲川田ゆかり講演

毎年ヨーロッパで行われる生殖医療学会ESHRE(European Society of Human Reproduction and Embryology)に先駆けて開催されるiCSi(International Consumer Support for Infertility)の大会への招聘を受け、2006年6月、講演を行って参りました。

今年のESHRE並びにiCSiの大会は、チェコ共和国プラハで行われました。ヨーロッパ各地からだけではなく、米国・オーストラリア・アフリカ・アジアと、世界各国から医療関係者や患者様のサポートグループの方々が集まります。会場に一歩入ると、皆さんのポジティブな熱気とエネルギーで一杯で本当に驚かされました。

▲iCSiコーディネーターとして、またフィンレージの会の要員として国際的に活躍される仙波由加里氏と。

私の講演は「Reproductive Tourism-Trends from Japan」(「生殖医療治療のための日本からの渡米状況」)と題されたもので、第三者を関与するプログラム(代理出産や卵子提供プログラム)が日本で認可されていないために、わざわざ米国まで出向かれるご夫妻の現状と心身のご負担などについてお話し、日本でも今後認可の方向へ動き、少しでもご夫妻のご負担が少なくなってほしいとの願いも訴えて参りました。

このような側面からの日本の状況についての発表がこれまでなかったとのことで、大変なご関心を頂き、講演後の質疑応答は時間オーバーになってしまいました。更に、同様な理由から、私の講演は、フランスのTV報道番組の取材対象にもなり、放映が予定されております。

▲米国不妊治療サポート財団RESOLVEの代表/CEOであり、iCSi大会企画委員長も務めるJOE ISAACS氏と。

今回の招聘を頂戴するご縁になったのは、2005年にご招待頂き、講話をさせていただいた、東京医科歯科大学で行われたDI研究会の方のご推薦でした。このご推薦により、現在iCSiにてコーディネーターとして活躍されておられる仙波由加里氏(日本・フィンレージの会の要員でもいらっしゃいます)を通してiCSiの委員会よりご招聘をいただく次第となったわけです。ちなみに仙波氏は、その功績により本年iCSiの「Patient Leadership Award」を受賞されておられます。仙波氏の他、iCSiの要になっているのは、オーストラリアとドイツの患者様サポートグループの代表者の方々、そしてiCSi のConference Planning Committe Chair(iCSi 大会企画委員長)としての最高責任者は、大規模なスケールで活動を行っている米国の中心的な患者様サポート財団、RESOLVEの代表/CEOのジョー・アイザックス氏です。

▲川田の講演は、フランスTV局の報道番組の取材を受けました。

今回iCSiでお会いしたこうした世界的にも有名な患者様サポートグループの代表の皆様と直接お話する機会を頂き、日本ではどうしても医師側が治療の主導権を握ることが多い中、こうした力強い患者様サポートグループの力を得て、今後もっともっと患者様が主導権を握る治療が日本でも展開されていくよう切に願っております。

ヨーロッパという普段は直接的にご縁のない場所で、多くの方々の賛同とエールをいただき、大きなパワーを頂いて米国へと帰国いたしました。患者様の心身の負担が少しでも軽くなるような、そんな治療とサポートを心がけ、これからも誠心誠意努力して参りたいと思います。今後共皆様の暖かなご指導・ご鞭撻何卒宜しくお願い申し上げます。

                  2006年7月
IFC社長 川田ゆかり

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