最新情報2009.10着床前診断

『男女産み分け』は本当に可能?

性別の選択がほぼ100%可能な着床前遺伝子診断

少子化の進む中で、授かる子供の性別を選択、つまり「男女の産み分け」ができたら・・・と希望するご夫婦が日本でも急増しています。特に、一人目のお子さんが男の子だったから、二人目は女の子がほしい、あるいは一人目のお子さんが女の子だったから、二人目は男の子がほしい、といった希望です。

現在日本では、パーコール法が男女産み分けの目的で使用される技術として主流になっているようです。また、グリーン・ゼリーやピンク・ゼリーなどの使用により、男女産み分けを試みる方も多いようです。

しかし、米国では、そういった手段をつかっても、結局は男の子と女の子となる確率がフィフティー・フィフティー、つまり、男の子になる確率も女の子になる確率も同率の50%ほどで、結局「何もしないのと同じ確率」の範疇(はんちゅう)になってしまうことが統計で分かっています。

そのため、現在ただ一つ「性別の選択」がほぼ100%確実にできるのは、体外受精の際に「着床前遺伝子診断」という技術を用いることであることが分かっています。

では、「着床前遺伝子診断」とはどんな技術でしょうか?これは、『体外受精』、つまりママになりたい女性の卵子を採取し、その夫でありパパになりたい男性の精子と「体外で」受精させ、得られた「受精卵(胚)」の染色体検査を行う技術を指しています。

「体外受精」は、日本でも一般的に行なわれている不妊治療技術ではあるのですが、「着床前遺伝子診断」については、現在日本では特定の遺伝病のケースについてのみ審査が行なわれた上で許可が出るという形になっているようですから、一般の患者様がすぐに受けられるタイプの治療技術ではありません。

しかし、米国では、「着床前遺伝子診断」は、一般の患者様が希望すれば受けることができる一般生殖医療の選択肢となっています。

着床前遺伝子診断において、染色体検査を行なう際には、X染色体とY染色体を調べますので、XXであれば女の子、XYであれば男の子、ということになります。ママになりたい女性の子宮に受精卵(胚)を戻す際に、その夫婦が希望する性別で染色体に異常が見られない受精卵だけを選ぶことにより、男女産み分けが可能になります。(現在の着床前遺伝子診断技術では、ほぼ100%に近い確率で性別の診断が可能になっています。)

ただし、「妊娠率」あるいは「着床率」については、これは、あくまでももともとの卵子の生命力が大きな影響力がありますので、実際に性別が判断できたとしても、その受精卵に生命力がなければ、結局は妊娠しなかったり、初期流産になってしまったり、ということは有り得ます。

ですから、希望していた性別の受精卵が、必ずしもそのような生命力のある(つまり妊娠率が一番高いと思われる)受精卵であるとは限りません。

そのため、一日も早く妊娠し、赤ちゃんが授かることを望んでいるご夫婦には、体外受精治療を行う際に、男女産み分けを行うのではなく、「一番良い状態で発育しているグレードの良い受精卵を戻して、妊娠し、出産できる確率を一番高く」することが薦められています。

実際に治療の現場では、受精卵という生命の始まりの姿が写った写真をご覧になると、多くのご夫婦は、やはり元気な赤ちゃんを一日も早く授かることの方が嬉しいからと、当初の男女産み分けの希望とは異なっても、一番妊娠の可能性が高いだろうと思われる受精卵を選ばれることがほとんどです。

着床前遺伝子診断の年齢制限

このような着床前遺伝子診断治療には年齢制限があり、女性の年齢が満40歳の時点で採卵(卵子の採取)の締め切りとなっています。年齢制限がある理由は、40歳以上になりますと、加齢による卵子の老化が進んでいるため、着床前遺伝子診断に必要な数の卵子の採取が見込めなかったり、実際に受精卵が良い状態で発達せず、着床前遺伝子診断を施せない状態になってしまう可能性が極めて高くなるためです。

満40歳までに採卵を終えるためには、時間の余裕をもって弊社IFCにお問い合わせください。着床前遺伝子診断用のラボラトリーでの設定予約を早めに済ませなくてはならないからです。6ヶ月以内に満40歳になる方の場合は、間に合わない可能性が高くなりますので特にお気をつけください。

ご自身の卵子による治療の場合、特に30代に入ってからは、体外受精治療で少しでも高い妊娠率を望む場合、半年でも一歳でも早いスタートの方がより良い結果を見込むことができることが統計でわかっております。

弊社IFCの着床前遺伝子診断プログラムについての概要はこちらからどうぞ。

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