最新情報2008.06治療プログラム

こんなご夫婦がIFCで卵子提供を受けていらっしゃいます(年齢・職業・治療歴など)

「卵子提供プログラムに進み、お子さんを授かった他のご夫婦は、どんな方たちが多いのでしょうか?」というご質問をよく頂戴します。やはり、とても気になることですね。
そこで、ここでは、これまでIFCプログラムに参加され、お子さんを授かったご夫婦がどのような背景の方々だったのかをまとめてみました。

1. ご年齢層

過去13年間でIFCプログラムを通して卵子提供を受けたご夫妻のご年齢層をまとめたのが、【図1】のグラフです(2008年現在)。奥様側の年齢を見てみますと、過去のどの年においても、治療ご参加の中心は40代の女性となっており、現在では、全体の63%が40代の女性となっています。

やはりこれは、米国の統計で出ている通り、満45歳になった時点で、自己卵子による体外受精の成功率がほぼゼロ%になる、という事実を得て、「45歳までは自己卵子の治療で頑張ってみよう。それでも結果が得られなかったら卵子提供受けて子供が授かるなら・・・」と考える方が多いからだと思われます。

40代が中心という患者様の年齢で、現在の極めて高い成功率(胚盤胞2個の移植による胚移植一回につき75%以上の成功率)を保っているわけですから、40代になってしまったからと言って「妊娠して赤ちゃんを授かることをあきらめる理由は全くない」ということが言えます。

40代の方の次に多いのが30代の方のご参加ですが、近年になり30代の方のご参加が急に増えています。これは、「卵子提供プログラム」の存在がメディアなどで広く報道され、より多くの方に情報が伝わり、自己卵子による治療の限界を患者様ご本人様が認識される時期が早まったこと、そして日本の生殖医療専門医の先生達も、どうしても自己卵子による治療で希望する結果が得られなかった患者様に早いうちに卵子提供プログラムという選択肢を提示するケースが増加してきたことなどが理由に挙げられるでしょう。ちなみに、弊社にいらした患者様のうち2000年の時点では79%が40代の方でした。しかも、40代の方のうち、その7割ほどが46~49歳の方に集中していたことを考えると、現在では卵子提供プログラムへの「切り替え」のタイミングが早まっていることがわかります。

IFCプログラムでは、健康上の厳しい条件付きで50代の方もお受付しています。また、ターナー症候群などで早くから早発閉経の診断を受けていらっしゃる20代の方のご参加も見られます。しかし、依然として40代の方が御参加の中心となっているのは、もともと「早発閉経」あるいは「閉経後」の方よりも、加齢による卵巣機能低下が原因で自己卵子を諦めなくてはならない患者様のケースが一番多い、という事実の表れかと思います。

ご主人のご年齢層も40代の方が一番多くなっていますが、奥様のご年齢層に比べ、全体として若干上のご年齢となっているのがグラフからお分かりいただけるかと思います。

2. ご職業

卵子提供プログラムは総額5万ドル~(2008年春現在で、日本円にしておよそ500万円~) という費用がかかるため、「一部の富裕層」の方しか参加できないのではないか、という声がありました。
しかし、弊社プログラム参加のご夫婦のご家庭は、【図2】の通り、8割ほどが一般のサラリーマン家庭である、ということがわかります。
つまり、決して「一部の富裕層」の方のみを対象にしたプログラムではなく、一般の方が真剣な思いで取り組まれていらっしゃることがうかがわれます。

3. 卵子提供プログラムに進む理由

卵子提供プログラムが必要である理由として、過去の治療歴や診断内容などをまとめたのが【図3】です。
これによりますと、早発閉経、自然閉経、或いは卵巣の摘出手術を受けたなどで、全く自己卵子が得られない状態になっているのが明確な方は、IFCプログラム御参加の3割ほどにとどまります。およそ7割にも上る方たちのケースが、「卵子は採取できるけれど、何故か着床しない。(あるいは初期流産に終わる。)卵子の質が衰えているという診断を受けた。」といった状況であることがわかります。

「卵子はまだ採れるのに、着床しない」「着床してもすぐに流産してしまう」そういった、「卵子の老化」により妊娠が成立しないという辛い治療を経てこられた方がその後卵子提供プログラムへ進まれ、お子さんを授かっている、という事実がこれでわかります。

更に言い換えると、「自分の卵子では、何度体外受精を受けてもだめだった」方も、こちらの卵子提供プログラムではお子さんを授かる可能性が極めて高い、ということになります。

4. 卵子提供プログラム参加前の自己卵子による体外受精サイクル数

ここまで述べて参りました通り、アメリカでIFC卵子提供プログラムに参加される前に、日本で自己卵子による体外受精を繰り返されて来られた方たちのうち、過去に何度体外受精を繰り返されたかをまとめたのが【図4】です。

およそ9割の方が、過去に日本で自己卵子による体外受精を4回以上試みられており、何と15%ほどの方たちが20回以上も日本で自己卵子による体外受精を試みられてきた、という事実がわかっています。この、20回以上試みられてこられた方たちの多くは、自然周期で採卵をほぼ毎月繰り返されてきた、という方も多くいらっしゃいます。
いずれにしても、卵子提供プログラム参加に至るまでの多大なご苦労がうかがわれる状況であり、頭の下がる思いでもあります。


★★★こうしてご覧いただくと、ごく一般的なご家庭のご夫妻が、長い不妊治療の後に卵子提供プログラムに進まれ、お子さんを授かっている、という現実がはっきりするのではないでしょうか?
決して特殊階級のご夫婦ではなく、同じ不妊治療のクリニックの待合室で隣に座っていた方がその後卵子提供を受けていらっしゃる可能性も多いにあるのです。

アメリカでは20年も前から一般の生殖医療の選択肢として市民権を得ている卵子提供プログラムです。ご関心がおありになる方は、13年前から日本の患者様をお手伝いして参りました私共IFCのプログラムへどうぞお問い合わせください:

関連情報